脳血管疾患等リハビリテーション
当院は、脳血管疾患等による高次脳機能障害のある方に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士およびその他の専門職が連携してリハビリテーションを行っています。
- 理学療法士
- 機能改善や基本的動作能力の改善を目的に運動療法、物理療法を行います。また退院後の移動に必要な、ご本人に適した下肢装具や福祉用具などを提案もしています。
- 作業療法士
- セルフケアや作業活動を通して能力の改善を目指し作業療法を行います。また、家事、食事、余暇活動の再獲得に向けて応用動作能力の獲得や自助具の作成、家屋環境の提案を行います。
- 言語聴覚士
- 失語症や、構音障害といわれるコミュニケーション障害に対して、リハビリテーションを行います。また、記憶障害や注意障害などの高次脳機能障害に対しても、生活を考慮したリハビリテーションを行います。
理学療法士のリハビリテーション内容
関節可動域練習
関節可動域の維持、改善をはかります。拘縮予防や運動能力低下を防ぐことが目的です。
ベッド寝返り練習
ご自身で行える能力を引き出しながら寝返りの練習を行います。
ベッドからの起き上がり練習
ご自身の能力を活用しながら、効率的な起き上がりができるように練習を行います。
端座位練習
座り姿勢が整いバランスのよい座り姿勢がとれるように練習を行います。
立ち上がり練習
ご自身が行える能力を引き出しながら、安全に立ち上がれるように練習します。
移乗動作練習
ご自身で行える能力を引き出し、安全に移乗が行えるように練習を行います。
平行棒内歩行練習
平行棒での歩行練習で、歩行の安定性、立位バランスの向上をはかります。
床からの立ち上がり練習
床での生活をされる場合や転倒後に起き上がるため、床からの立ち上がり練習を行います。
杖歩行練習
歩行の安定向上をはかります。患者さまに合わせて杖の高さや種類を提案します。
歩行器での歩行練習
歩行の安定性向上をはかります。患者さまのお身体や目的によって最適な歩行器を提案します。
装具装着での歩行練習
麻痺などで立位歩行が困難な患者さまに対し、装具を用いて立位、歩行練習を行います。患者さまにあわせた装具の提案を理学療法士や作業療法士が行っています。
階段昇降練習
階段昇降の動作、筋力向上を目的に練習を行います。
自転車エルゴメーター運動
体力の向上や筋力向上を目的に行います。目的にあわせて患者さまのメニューも指導します。
ベッド上ポジショニング
褥瘡や拘縮予防などを目的に病棟生活やご自宅で安楽に過ごしていただけるよう、クッションの選択やポジショニング方法を提案します。
車いすシーティング+車いす調整
患者さまのお身体や力の入れやすさ、安楽な座り姿勢など日常生活動作の目的にあわせて車いすを選択し、患者さまの体型に合うよう調整します。
リフト移乗
重症度が高い方へ、持ち上げる介助をしないことで身体への負担を軽減し、安全に移乗を行います。
免荷での移動練習
骨折などの治療過程で全体重をかけられない方に対して、体重計などを用いて決められた荷重で移動できるよう練習を行います。
作業療法士のリハビリテーション内容
手の関節可動域練習
関節可動域の維持、改善をはかります。拘縮予防や動きの改善を促していきます。
作業活動を通した機能回復練習
おもに手指の機能改善をはかります。巧緻動作や両手の協調運動を促していきます。
認知症に対しての練習
集団での交流やお好きな作業活動などを通して、認知機能の維持、改善をはかります。
脳トレーニング
手順を覚えたり、思い出して進めることで脳機能の活性化を行います。
車いすでの日常生活動作練習
食事や整容など日常的に座位で行う日常生活動作の練習を行います。また立位がとりにくい患者さまに対して座位でやりやすい方法の提案、練習を行っています。
立位での日常生活動作練習
立位バランスを保ちながら、日常生活動作を行う練習を行っています。
言語聴覚士のリハビリテーション内容
失語症に対しての訓練
「話す」「聴く」「読む」「書く」「計算」が難しくなる失語症の症状改善、また代わりとなる方法の検討・指導などを行い、コミュニケーションがとりやすくなるようにします。
例・聴いて理解する練習
言葉を話すためには、聴く力も必要です。文字や絵を使って、聴いて理解する力を向上するための練習を行います。
例・言葉を話す練習
言葉を話すためには、脳の中で言葉を思い起こすことが必要です。文字や絵を使って、言葉を思い起こす練習を行います。
発生発語器官or構音器官機能向上のための練習
麻痺や筋力低下で動かしにくくなった口の動きを改善し、話しやすくなるように練習を行います。
発声練習
しっかりした呼気をつかって、大きな声を出す練習を行います。発声は飲み込みの力や誤嚥したときの吐き出す力に繋がります。
高次脳機能障害に対しての練習
注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害等の高次脳機能障害を改善し、日常生活、社会生活を送りやすくします。
認知症の評価
医師の診察に加えて、記憶力などの認知症の評価をします。評価場面でのやりとりや、日常生活の状態などについても伺い、認知症の程度や対応方法についての検討を行います。
脳機能賦活練習
文字を書く、計算する、ことばを考える、パズルをするなど、考えて脳を使うことで、脳の活性化をはかります。日記をつける、など記憶への働きかけも行います。
嚥下体操
毎週月曜・木曜の11時30分~お食事の事前準備として集団で口を動かしたり、歌を歌ったり、声を出すなどの嚥下体操を行っています。また、脳機能活性化の目的や患者さま同士の交流の場にもなっています。
高次脳機能家族会
高次脳機能障害の患者さま、そのご家族さま、病院スタッフが集まり、高次脳機能障害について一緒に学んだり、座談会などでお話を聞いたり、話したりしながら交流を深めています。
ことばの瓦版
構音障害や失語症、摂食嚥下障害、高次脳機能障害などについて、患者さまに理解していただくことを目的に、「ことばの瓦版」を発行しています。